催眠療法の詳細
催眠療法の技法と事例
当療院での治療の手順として、まずは面談で相談内容をしっかり伺います。そして催眠療法がどのように対処できるか組み立てを行い、催眠のかかり易さのテストや十分な説明のもと、ご納得いただいたうえで療法を始めます。
催眠技法の種類
催眠の技法としては、次の2つに分かれます。
①催眠の暗示の力そのもので対処する方法(一次効果・直接作用・対症療法)と、
②催眠下で、自分と向き合う方法(二次効果・間接作用・根治療法)です。
②での「向き合い方」には、もう一人の自分に出会ったり、さらには、より高次の存在(ハイヤーセルフ・ガイドスピリット)からアドバイスをもらう方法もあります。
催眠療法の効果の仕組み
例えば、明るく活発な性格になりたいと願う相談者に対し、「人の目がむしろうれしく、行動を起こすことが楽しい」と暗示を入れたとします。すると、とても前向きな気持ちになれるのですが、このように暗示そのものを以て心や行動を直接変容させることを暗示の「一次効果又は直接作用・対症療法」と呼んでいます。
この一次効果が効いている間に、苦手をあえて体験して慣れてみたり(馴化)、苦手を乗り越える「暗示スイッチ」(後述)を植え付けたりして、効果を固定していきます。
2番目の方法としては、今の性格に至った経緯・原因を、催眠によって探ることをします。過去に起こったことに気づくこと、目をそらさずそれ自体を認めること、そして、それに新たな解釈をもたせることにより、心の奥底にあったこだわりを解くことができます。すると自ずと性格が変わってきます。
また、気になる身体症状の原因が心の在り方にあるとすれば、心の変化に伴い、症状の快癒がもたらされることになります。
このように、性格が変わることや身体症状の快癒を直接暗示しないのに、結果としてそうなるわけですから、これを催眠の「二次効果又は間接作用」と呼びます。この二次効果の方は、原因という根本に触れて、その上で起こる変化ですから、後戻りを起こしません(不可逆性・根治的療法)。
苦手の克服(催眠の一次効果) あがり症の性格
人前であがってしまい、赤面したり発言がしどろもどろになって困るという方がいます。こういう方には、心を落ち着けるための「スイッチ」づくりを提案します。(旧来、手の平に「人」と書いてそれを飲み込むという所作が有名ですね。)
所作はご本人がやりやすいものが良く、例えば「顎を触る」動作とか、「応援してくれる人が自分の中に入り込んで同化する」というイメージでも良いと思います。専用の所作を「スイッチ」として暗示しながら、実際に落ち着いたという経験を催眠下で繰り返し体験していただき、一種の自己催眠導入のきっかけ(スイッチ)として定着させます。
ここでは、あがり症そのものを治すというよりは、それをう回させるスイッチづくりの提案です。その一方、「あがり症」という性格に根本原因があるかどうかの心理的な点検も必要となってくるでしょう。
おならが溜まって困る(自己催眠の一次効果)
特に若い女性(多くは多感な思春期の方)にとって、お腹が鳴ったり、お腹にガスが溜まったりすることは切実な問題です。もし、公衆の面前でおならをしてしまったらと悩むお気持ちは想像に難くありません。
このような場合でも、催眠療法で良い結果を導ける場合があります。前項の「スイッチ」の設定を基本としますが、当療院の自己催眠習得コースで学び、日常生活において自律訓練にじっくり取り組んでいただくのも良い方法と思います。
自己催眠で自律訓練を行うのも催眠の「一次効果」の範囲です。ただ、悩みに苦しむ余り、心理的に不安定になっているようであれば、「二次効果」を意識したセッションを経験する必要もあるかもしれません。(課題のある身体の部位を人格化してその原因を探るという特殊な催眠技法もあります。)
お腹のガスには胃の消化能力を高めることが効果的と言われています。医療と同時並行で、催眠療法にも期待していただいてよいように思います。
未成年の方は、保護者同伴でいらっしゃってください。なお、同伴の方への注意点をこのページの最後に書き出していますので、ご確認ください。
手洗いに固執する不潔恐怖(催眠の一次効果から二次効果へ)
例えば「手が細菌で汚染された」という強い不安にかきたてられて長時間手を洗い続けたり、肌荒れする程アルコール消毒をくりかえしたりするなど、明かにやりすぎな行為や恐怖心のことを「強迫行動」「不潔恐怖」といいます。
こういった症状に対しては、まず、催眠誘導下の暗示によって課題となる「不潔感」が緩むことを体験して頂きます。これを通して、自分が思い込んでいる忌避や嫌悪といった意識・感情は、絶対のものではないことを学びます。そして、改善の目標点がみえることで、きっと勇気づけられもするでしょう。
以上の効果は催眠の「一次効果」と言えます。この効果だけでも、現実生活で認知行動療法(我慢をする練習)を行うに十分な動機付けとなるものですが、さらにこれに重ねて行える施術があると考えます。
それは、不潔恐怖に陥ったおおもとの原因を探り、それに決着をつけていく治療です。
退行催眠等の技法をもって行いますが、その原因となった出来事に迫り、その新しい解釈に到達できれば、自然と強迫行動が解消の方向に進んでいくことは想像に難くありません。
この後段の取組は、手洗い行為そのものにアプローチする技法とは異なり、心の奥底の原因をほぐすことで間接的に結果を導くものですから、催眠の「二次効果」をねらったものとなります。
それでは、続けて、催眠の「二次効果」について説明をしていきます。
トラウマの解消(催眠の二次効果)
苦手なことでも、失敗を繰り返すまいと努力をすることで、プラスに働くものです。また、慣れてしまうことで、あわてることのない自分に変わっていくこともあるでしょう。
しかし、過去の厳しすぎる経験というものは、時にはトラウマとなって様々な苦しみをもたらします。
催眠で過去の出来事を完全に無かったことにすることは正しい対処法とは思いません。これを乗り越えるためには、過去の事象を適切に想起し、消化することと言われています。
そのためには、起こった事を客観的に眺める手法(専門用語ではセルフモニタリング=メタ認知療法と言います)が有効です。
そこで催眠の施術により、これを実現していきます。
トラウマ解消の催眠技法
相談者には過去の経験を催眠下で想起していただきます。
催眠療法では、「時間の巻き戻しによるいわゆる『退行催眠』」の技法や、「『インナーチャイルド』との出会い」の技法と言われます。
この想起は特に注意深く行います。施術者は相談者が耐えられる範囲をしっかりと見極めながら、時には想起の方法も白黒のビジュアルで思い出す、映画フィルム上で役者に演じてもらうなど、間接的で客観的な関わり方になるよう工夫をします。万が一パニックになりそうなら、瞬時に催眠を解く用意を怠りません。
このように、想起するトラウマとの関わり方に配慮し、客観という立ち位置を保つことで、トラウマとなった過去の経験を受け止める準備が整います。
トラウマ解消の理論
実はトラウマは、トラウマとなった出来事との対面・対峙を何度くりかえしたとしても、それだけでは消化されません。無駄にしんどいだけです。(従って、催眠導入によるトラウマ事象の再現をするだけの施術では、療法とは成り得ません。)必要なのは、相談者の人生にとってその出来事はどのような意味があったのかを様々な角度から多様な価値観をもって深く理解することです。
この理解により、それまで孤立していた否定的な記憶が活性化され、相談者の中の肯定的な記憶や情報と結びついていきます。ここまでくるとトラウマとなった記憶は正常な情報処理の回路に乗り、真の癒しが始まります。
こうして過去の経験は、かさぶたのように干からびて、不活性化します。この状態になれば、トラウマでは無くなるだけでなく、次への人生が大きく開けていくものです。
トラウマは適切な癒しにより解消を迎えるまでは、決して消え去ることはありません。その一方、その解消を思い立てば、決して遅すぎることはありません。いつでも勇気をもって立ち上がってください。
ハイヤーセルフとの対面(催眠の二次効果)
ハイヤーセルフ(ガイドスピリット)とは、高次の自分自身、あるいは、指導者といった存在です。
将来への不安、進路の選択といったご相談なら、高次の存在(ハイヤーセルフ)との対面という技法が適当と思います。ハイヤーセルフに直接尋ねたり、ハイヤーセルフに依頼し、迷う進路を具体的に経験してみるといった手法を用います。例えば婚約者との将来の結婚生活を体験してみることもできます。
沢山のホームページでハイヤーセルフの存在について説明されていますが、そこではせいぜい「存在を感じるためには」、といった程度にとどまっています。しかし、催眠という手法さえ用いれば、ハイヤーセルフに確実に出会うことができます。
身体症状の快癒(催眠の二次効果)
催眠でできることは直接的には心の変容ですが、意図せずとも、その心が原因で生じた病的な身体症状(神経性の胃炎や下痢、動悸、息苦しさ、原因不明の頭痛、突然の難聴、手洗い等への固執等)の軽減・消失をもたらします。
私は、身体症状の診断はいたしません。私がフォーカスを当てるのは、相談者をつかさどるご本人の深層心理となります。そこで最初に、意識できている心的な課題について話し合います。思い当たらない場合や相談者が考えている以外に何かがあるかもしれません。この場合は、催眠下で探り、特定していきます。
現代は、例えば皮膚病でさえも心理療法が用いられる時代です。ご病気と心の関連を、まさかと思われる方こそ、心の点検にご来院ください。
なお、身体症状自体には、まずは適切に内科等の医療受診をしていただきますようお願いします。
心のノートを開けてみるのが恐い
トラウマ解消法の一つとして、催眠誘導中に現れたノートを開けてみるという技法があります。そのノートには、辛かった自分の心の本質が書かれているわけですから、それを確認することはとても大切なことです。しかし、反面、そのノートを開けると、逆に傷つくのではないか、傷が大きくなってしまうのではないかと恐れてしまう気持ちも生じます。
そこで、ノートを開ける前に、「今の自分がそれを乗り越えることができるのなら文字を読むことができます。しかし、未だ耐えることができないなら、文字はにじんでしまい読めません」と暗示します。この暗示により、自己防衛もしながら、安心して本質に迫ることができます。
リソースとの結びつけ
トラウマが強すぎる場合、いかなる技法や配慮のもとでもその対面・対峙がかなわない場合があります。その際は、「自分が心地よく感じる場所や経験(リソースと言います)」を高め、強く結びつけていく技法に切り替えます。
トラウマ解消のための道のりは個人によって異なります。過去との和解は様々な方法で準備されていますから、どうぞご安心ください。
なお、当療院では、音楽療法用に特別にチューニングされた専用オルゴール(スイス・リュージュ社製72弁 曲目:パッヘルベルのカノン)を、どなたでも試してみることができます。(オルゴールの販売・斡旋は行っていません。)
相談内容を伺わなくても可能な催眠療法?
催眠の醍醐味は、ご自身が自分の心に深くアクセスすることで、それをきっかけとして自ら気づき、心の変容が行われる点です。どうでしょう、この考えの中に、施術者の意図、指図というものがありましたでしょうか。
究極には、施術者の役割とは、適切に確実に催眠に導入することであり、そして安全に催眠状態を解くことです。従って、ノートの技法の例で言えば、相談者の悩みの具体を伺わなくとも、催眠導入後、「さあ、目の前にご自身の今の課題・問題の答が書かれたノートがあります。どうぞノートを開けてみてください」と誘導すれば、ご本人は、自ら求めていた気づきに至るでしょう。さらに言えば、施術者がそのノートの中身まで踏み込んで、確認して、正否を判定して、意見を言う必要もないわけです。答は「もう一人の自分」が直接ご本人に教えてくれますから。
従ってどうしても話したくない悩みなら、私に話されなくても構いません。催眠による癒し効果の本質から言えばこのことも真となります。
(なお、この技法においても「ノートの中味の解釈」の段階では、施術者は相談者に寄り添い、尋ね、促す必要があります。相談者が対峙する課題や、その解消に取り組む理由は何かを把握しないままのサポートとなりますので、実は一層高度な配慮、対応が必要となります。また、用いる技法は限定的となってしまいますが、相談者の意向が優先です。)
精神疾患と催眠療法
解離性障害(多重人格)
解離性障害を精神疾患の項目の最初においたのは、この病の多くが過去の大きなトラウマが原因と言われているからです。従って性急に事を進めることは決して良い手段ではありません。
私は、この病を医療を以て治療する立場にはありませんが、カウンセラーとして心の内を伺い、受け止めることができます。ただ、お話しになりにくいこともあるでしょうから、前項で書いたように全てを話されなくとも結構です。
このような例の対応については、まずはご相談として伺い、その後カウンセリングサロン(1時間1,000円)をご利用いただきながら、お互いの信頼関係を高めていきたいと思います。
統合失調症
統合失調症には、退行催眠やハイヤーセルフからの教示といった催眠療法はなじみません。統合失調症をきたすきっかけとなったトラウマはあるでしょう。しかしこれにアプローチしようとすると、副次的に催眠中に不安定になることが予想されます。特に急性期では脳を休めることが最優先と言われています。医師の指示に従ってください。
ただ、慢性的に脳が休息できていないと感じておられる患者様には、良質な睡眠がとれるようご指導いたします。(統合失調症は脳の疲労が大きな原因の一つと言われています。)
ある方は、この睡眠導入の技法により、「発病して以来味わったことのない程の安楽を感じた。普段聞える幻聴も全くなかった。このまま眠ってしまいたいと強く思った」と感想を述べられました。
これが習慣付くとご病気も逃げてしまうかもしれませんね。
うつ病
うつ病については効果を現す場合が多分にあります。これまで説明した催眠の「二次作用」をもって対処します。(相談者が心の奥底に抱えながらも意識できていない課題を見極めて、その理解・解釈を導きます。)
解離性障害やうつ病(あるいは、ここに例示しなかった心の病)に対して、障害・病そのものを施術の対象とするものではありません。症状のあるなし、病名のあるなしに関わらず、相談者が抱える心のしこりを解く施術やカウンセリングを行います。
症状自体の治療については医師にご相談ください。
拡大する催眠療法の守備範囲
皮膚病と心理療法
皮膚にできたイボ(尋常性疣贅)を取るには、おまじないが効果的であることは、良く知られています。
現在では、例えばアトピー性皮膚炎でさえも、心理療法で治療する手法が確立しつつあります。(一度「アトピー性皮膚炎 心理療法」のキーワードでネット検索してみてください。)アトピーの場合は、イボの例とは比較にならないほどの心理的な要因が指摘されています。その研究についての解説を吟味すればするほど人の心の複雑さを感じるところです。
心と身体、心と病の関係というものは、私たちが普段考えている以上に強く結びついているものなのです。
アルコール中毒等への取組
私が学んだ催眠の講師は、次のように解説していました。アルコール中毒やニコチン中毒といった脳の奥深いところに刻み込まれた中毒性のクセは、少々の禁止の暗示では太刀打ちできないと。にもかかわらず、「催眠」ならまるで魔法のように中毒が治ると公言する療法士が巷に多数いて嘆かわしいと。
ここで言う禁止の暗示とは「タバコがまずい」「もうお酒が飲みたくない」といったものです。実際、この禁止の暗示でアプローチしようとすると、毎日でも催眠の施術が必要となり、あまり現実的ではありません。
そんな中、ある催眠療法家の意見に触れる機会があり、必ずしもそうでないことを知りました。
それは、禁止の暗示ではなく(タバコやアルコールを治療の対象とするのではなく)、タバコを吸うようになった直接の理由は何か、なぜアルコールに頼らなければならないか、といった「本当の理由、真の動機」にアクセスする方法です。これによって禁煙や断酒は可能であるというご意見です。
YouTubeで、禁酒法・断酒法を配信しておられる方(もとアルコール中毒患者)が、全く同じ意見であったのには驚きました。ただ、その動画では催眠ではなく、自力での気づきを前提としていましたが。
当療院では中毒症状に対しても、実効性・有効性のある催眠の施術となるよう努めています。
難病でさえも
藤野敬介・著「こわくない催眠療法」(ハート出版)には、催眠療法先進国であるアメリカにおける病気へのアプローチが紹介されています。
特に癌等の難病に対する取組の項は、私自身真摯な思いで熟読しました。皆様の中にもこの書籍をご覧になって、催眠療法に興味を持たれた方がいらっしゃるかもしれません。
当療院では、そこで解説されている理論自体には中立的な立場をとりますが、病になったことをきっかけとして自分の過去の思いに決着をつけたいと考えたり、自分では気づいていない何かを探ってみたいと考えられた方、こういった方のお気持ちを伺う準備があります。
なお、病の症状については医学との連携をしっかり保ち、投げ出さずにその医療を継続される方に限ります。
(藤野敬介さんは、國學院大學文学部准教授であるとともに、アメリカへ渡って、州によっては保険適用さえある催眠療法の本質を学ばれました。現在、自ら「催眠療院 銀枝庵(埼玉県ふじみ野市)」を運営されている施術家です。)
出雲心理療院での療法
そもそも自分って催眠に入れるの?
催眠療法は、催眠状態に誘導するだけでは「療法」として効果を発揮するものではありません。しかし、催眠状態に誘導できなければその先の深層心理の気づきにも至りません。
「自分はそんな不思議な催眠状態に入ることができるだろうか」と不安に思われるかもしれませんね。一般的には、一定の技量のある施術家で催眠導入の成功率は70パーセントくらいと言われています。
催眠にかかるコツは、催眠に対する不安の気持ちを払拭すること、催眠の導入をワクワクしながら楽しむことです。
被暗示性のテストから開始します
催眠の施術を受けた結果、
「なんとなく良かったような気がする、お金を払ったから。」
「結局催眠に入れなかったので、かかったフリをしていた。そうしないと催眠の先生に悪い気がして。」
「施術者に『実はあなたは催眠に入っていたのですよ』と真顔で言い切られた。」
これでは腑に落ちません。
当療院では、このような不合理を取り除くため、最初の相談時に被暗示性(催眠のかかり易さ)のテストを行います。ここで一定の暗示性を確認したうえで、催眠セッションをご案内することになります。
被暗示性のテストでは、続けてリラックスの暗示を行います。春夏秋冬の中でお好きな情景を見て、感じていただくという手法をとりますが、実際にこの段階でとてもリアルな情景を体感することができます。従って、その後に進んで経験するであろう「日記帳」や「白黒フィルム」、「もう一人の自分」といった対象物は、とうていぼんやりしたものではないことを納得していただけると思います。
なお、被暗示性が満たない場合は、NLPの技法に切り替えてカウンセリングを行い、相談の料金内で成果が得られるよう努めます。
言葉による誘導に特化
当療院では、言葉による誘導に特化しており、身体を擦ってリラックスを導く「撫擦法」や大きな声を発して驚かせた瞬間をとらえる「驚愕法」は採用していませんので、女性の方にも安心してご来院いただけます。
高度で安全かつ確実な催眠誘導の技術を基本とし、深い気づきのもと、少ない回数で満足できる結果に導くとともに、自らの足で立つ相談者になっていただけるよう努力を惜しみません。
催眠にとらわれる自分が恐い?
催眠にとらわれるとは2つの意味があると思います。
まず一つ目は、催眠でまるでロボットのように操られてしまうのではないかという恐さです。催眠でコントロールされるとは言いますが、催眠誘導により例えばナイフで人を傷つけるよう指示されたとしてもそれは起りません。人を危めるといった行為に対する忌避意識は、人間の脳の底に据えられています。これがその行為を許しません。
また、催眠施術中に、火災が発生したとします。すると煙の臭いや火事だという声で催眠は自然に解けてしまいます。それは、自分の身体や命を危機から守る意識も脳の最深部にあるからです。
催眠にかかることができるのは、コントロールされているように見えて、実はそれ以前に自分の許可があるからであり、主体はあくまでも自分なのです。
もう一つは、催眠で誘導された自分は本当に自分と言えるのか、また、催眠なしで生きられなくなるのでは、という不安です。
少し考えると分かるのですが、今不都合を抱えている自分こそ、本来の自分ではないのです。催眠をきっかけに本来の自分を取り戻すとお考えください。また、自己暗示という行為は、無意識のうちに日々実践していることなのです。たとえば励まし、慰めなどの行為・心理です。それをスポット的に、また、継続的に強化し、より良い人生を手に入れるということなのです。
当院で大切にしたいこと
「出雲心理療院」開設のきっかけと催眠への発展
私自身の経験から、話を十分聴いてもらえる相談所があったら、と考えたのが「出雲心理療院」開設のきっかけです。
その後、興味をもって始めた催眠の分野について、文献を読み漁り、レッスン会にも数多く参加することで、自分自身の催眠のスキルを高めてきました。
本当に催眠にかかった人と、かかったフリをしている人との違いがハッキリとわかるようになった頃、自分の腕に自信がつくとともに、催眠の力の偉大さを知るに至りました。そしてこの特殊な技術を中心に据えて、自分にできる社会貢献として、いつか出雲心理療院を開設したいと思いが高まりました。
学問としての心理学の履修は、通常は4年制大学で心理学を専門課程として修了し、公的な「認定心理士(公益社団法人日本心理学会)」の資格を取得します。私は、就職後に通信制の放送大学に入学し、そこでの心理学の履修により必要単位及び認定心理士の資格を取得しました。(もともとの大学では商学部の所属でしたが、ゼミでの専攻は「経営心理学」でした。この履修単位も資格取得に加味されました。)
さらに上位の公的資格には「臨床心理士」がありますが、心理を専攻して大学院で学ばなければなりません。この資格は持ち合わせていませんが、「臨床(実務)」の部分は長年の市役所勤務の中で福祉事務所の相談員、人権同和教育の啓発担当、隣保館館長など、福祉職・教育職をはじめ数多く経験を積んでまいりました。
カウンセラーに求められる資質
技法・資格以前にカウンセラーに求められる資質は、「自己一致」という態度です。
「自己一致」とは、カウンセラーが真に感じていることと、カウンセラーが発する言葉や態度が一致しているかどうかということです。これを逆に言うと、「心に無い言葉は相手に伝わらない」、ということになります。当たり前ですよね。
私は、カウンセラー自らの人生経験、人柄、発想、価値観といったものが大切と知って、還暦を迎えてはいますが、身が引き締まる思いがします。本ホームページの「雑記」のページに過去からの日々の思いを随筆的に書き連ねていますので、どうぞご参照ください。
付添・同伴者の方へ
施術を受けられる方とともに、親子、ご夫婦、保護者の方など付き添ってお越しになることも可能です。但し、ご本人と同伴の方との人間関係も課題の解決に関わっている場合がありますので、催眠の施術中は席を外していただきます。被暗示性のテストの終盤にご入室いただくことはできますが、近隣の喫茶店等をご案内いたしますので、ご協力ください。
なお、施術後、同伴の方への説明もご本人の了解のもと必要な範囲で行います。